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華麗なるプラナカン文化に触れてみよう

東洋と西洋のスタイルを取り入れた、美しい伝統文化を訪ねてみませんか?

こんにちは、シンガポールナビです。シンガポールというと摩天楼が林立する近代都市の姿ばかりを思い浮かべがちですが、実は何百年も前にこの地に根付いた人々が、独自のスタイルで築きあげた伝統文化が今も息づいているのです。今日はそんな「プラナカン文化」についてご紹介します。

1.パステルカラーのプラナカン建築を訪ねて

「プラナカン」とは、15世紀後半からマレーシアやシンガポールにやってきた、中国系移民の子孫のことです。彼らは現地の女性と結婚し、中国やマレーの文化とヨーロッパの文化をミックスさせた、独自の生活スタイルを築きました。東西交易の要衝であった、マレー半島やシンガポールならではの歴史です。
プラナカンの建築物は一階が店舗や事務所、二階が住居になっており、「ショップハウス」と呼ばれます(純粋に住居としているものは「テラスハウス」とも呼ばれます)。間口が狭くて奥行きが深い、まるで京都の町屋のような造り。一戸単独で建つことはなく、数件が隣り合った状態で建てられます。

プラナカンの建築の特徴は、明るいパステルカラー。華やかな色で塗られた建築群には、ネオ・ゴシック様式やバロック様式などの西洋建築のスタイルが取り込まれ、よろい窓や瀟洒な柱で彩られています。ファサードには花やつる草模様のレリーフが施され、ひとつひとつが宝石のような美しさ。中国やインド的なデザインを盛り込んだものもあり、まさに東西文化を融合させた住居になっています。
ショップハウス様式は一般にも広く普及したため、現在もシンガポールのあちこちで見られます。特に有名なのが、カトン地区のジョー・チアット・ロード周辺。ここにはプラナカンや、ユーラシアン(アジア人とヨーロッパ人の混血)の子孫たちのコミュニティがあったため、今も往時の華麗な建築群が数多く残っています。レース編みのような軒下の飾りなど、細かく観察していると、時間が経つのを忘れてしまうくらいです。
ジョー・チアット・ロードの、プラナカン建築のレストラン

ジョー・チアット・ロードの、プラナカン建築のレストラン

華やかなカトンのショップハウス(テラスハウス)

華やかなカトンのショップハウス(テラスハウス)

市中心部では、オーチャード・ロードの付近にあるエメラルド・ヒルや、チャイナタウンにほど近いブレア・ロードの周辺で、昔ながらのプラナカン建築群を見ることができます。このあたりには裕福なプラナカンが多く住んでいたため、装飾がひときわ精緻で堂々とした建物が多く、三階建てのテラスハウスもあります。一階の玄関前の通路部分にも、美しい陶製のタイルが貼られ、まるで花を散らしたよう。ひとつひとつの装飾に、プラナカンの繊細な美意識を見ることができます。
ブレア・ロードのショップハウス。壁面の花模様が繊細。

ブレア・ロードのショップハウス。壁面の花模様が繊細。

玄関前を埋め尽くす、美しい陶製のタイル

玄関前を埋め尽くす、美しい陶製のタイル

ブレア・ロードに近いニール・ロードの「ババ・ハウス」

ブレア・ロードに近いニール・ロードの「ババ・ハウス」

中国色の強い、精緻な彫りが施されたショップハウスの門扉

中国色の強い、精緻な彫りが施されたショップハウスの門扉

これらの建築物には現在も住んでいる方がいますので、散策や写真撮影の際にはご配慮をお忘れなく。中にはカフェやバーになっているショップハウスもあります。冷たい飲み物で喉を潤しながら、昔のシンガポールに思いを馳せるのもオススメです。
ブレア・ロードの角に建つ、ショップハウスのカフェ

ブレア・ロードの角に建つ、ショップハウスのカフェ

エメラルド・ヒルにある、ショップ・ハウスのバー

エメラルド・ヒルにある、ショップ・ハウスのバー

2.プラナカンの暮らし~華麗なるファッション

華やかなプラナカン建築を見たら、その中でプラナカンたちがどのような暮らしをしていたのかが気になるところですよね。
シティ・ホール付近にある「プラナカン博物館」では、プラナカンの人々の生活や文化が詳しく紹介されています。プラナカンたちが独自の美意識で生み出した生活用品は、目を見張るほどカラフルで豪華なものばかり。展示品は多すぎず少なすぎず、観光客が訪れるにはちょうどいい規模の博物館です。ここからは、そのコレクションの一部を見ながら、彼らの生活スタイルについてお伝えしていきます。
(右は1912年建造の学校を利用した、プラナカン博物館の外観)
マレー半島では、プラナカンの男性のことをババ(Baba)、女性のことをニョニャ(Nyonya)と呼んでいます。
ニョニャたちは、刺繍が施された美しいブラウス「ケバヤ」と、スカートの役目をする腰布「サロン」を組み合わせた服を着て暮らしていました。ウエストシェイプされた優美なこの服を「サロン・ケバヤ」と呼びます。シンガポール航空のスチュワーデスが、このスタイルの制服で人気を集めていることでも有名ですね。
ケバヤにはボタンが無いため、「クロサン」という三連のブローチで前開きの部分を留めていました。このブローチがまた、繊細な金細工や銀細工の透かし彫りに、ときにダイヤや翡翠や真珠まであしらったゴージャスなもの。ケバヤが七分袖であるのも、ニョニャたちがブレスレットや指輪を身に着けたときに、自慢の品を強調するためであるといいます。華やかなファッションのプラナカンの女性たちは、存在自体が歩く宝石なのです。
ニョニャたちの優美な服「サロン・ケバヤ」

ニョニャたちの優美な服「サロン・ケバヤ」

ニョニャの宝飾品。中央が三連ブローチ「クロサン」

ニョニャの宝飾品。中央が三連ブローチ「クロサン」

シンガポールのニョニャが19世紀後半に使ったかんざし

シンガポールのニョニャが19世紀後半に使ったかんざし

ダイヤに取り巻かれた繊細なブローチ

ダイヤに取り巻かれた繊細なブローチ

3.代々受け継いだ芸術的なビーズ刺繍

プラナカンの華麗な文化の一つとして、ビーズ刺繍もよく知られています。ニョニャは子供の頃から、花嫁修行の一環としてビーズ刺繍を教え込まれました。ニョニャにとってビーズ刺繍の技術は、料理や家事と同じくらい重要なものとされていたのです。
もともとニョニャたちは、中国風の鮮やかなシルク刺繍や、インド風の金糸・銀糸を使った立体感のある刺繍に優れていました。そこに18世紀の後半からヨーロッパのガラスビーズがもたらされると、きらめくようなビーズ刺繍がどんどん発展していきました。極小のビーズでバラや小鳥や動物を精密に表現した作品は、芸術といってよいでしょう。鮮やかな色の取り合わせは、ショップハウスに見られる、プラナカン特有の色彩感覚を思い起こさせます。
ビーズ刺繍のモチーフは、イギリスの刺繍やクロスステッチのパターンの影響も強く受けているそうです。東西の文化が融合したプラナカンのビーズ刺繍は、今も女性たちに人気。現在もシンガポールには、昔ながらの手仕事による、ビーズ刺繍の商品を扱うお店があります。
手仕事による、精緻を極めたビーズ刺繍

手仕事による、精緻を極めたビーズ刺繍

ビーズ刺繍のスリッパはプラナカンの生活の必需品

ビーズ刺繍のスリッパはプラナカンの生活の必需品

バラと小鳥のモチーフが愛らしい財布

バラと小鳥のモチーフが愛らしい財布

金糸・銀糸でウサギや蝶を立体的に刺繍した作品

金糸・銀糸でウサギや蝶を立体的に刺繍した作品

4.食卓を彩るカラフルな陶器

明るいパステルカラーを好むプラナカンの感覚は、食器にも表れています。「ニョニャ・ウェア」と呼ばれるプラナカンの陶器は、ピンクやペパーミントグリーンやクリームイエローで彩色された、それはそれは華やかなもの。その大半は19世紀に中国の景徳鎮で、プラナカン用として製造されたものです。
地の色までパステルカラーの鮮やかな陶器は、結婚式や正月などのお祝いの席や、来賓をもてなすために使われました。お皿やお椀には鳳凰と牡丹が描かれたものが多く、おめでたい席を繊細な模様で彩っています。中には蝶や桃などが描かれたラブリーなお皿も。この器に、中国料理とマレー料理を融合させ、世界各国の調味料や食材を取り込んだ「プラナカン料理」が盛りつけられた様子は、さぞ豪華に見えたことでしょう。
饗宴に使われた蝶の食器。蝶は幸福のシンボル。

饗宴に使われた蝶の食器。蝶は幸福のシンボル。

鳳凰と牡丹、鶴や桃が描かれた華やかな大皿

鳳凰と牡丹、鶴や桃が描かれた華やかな大皿

プラナカン独自の器として有名なのは、「カムチェン」と呼ばれる蓋つきの壺。両脇には輪っかの取っ手が付いており、蓋の上にはちょこんと獅子が乗っています。直径4cmの小さなものから、39cmの大きなものまで、サイズはいろいろ。大きなカムチェンにはスープや飲料水、デザートなどが入れられていたそうです。小さなカムチェンにはお菓子や化粧品を入れていたと言われています。
プラナカングッズのおみやげ屋さんでも、小さなカムチェンのレプリカはとても人気があります。お気に入りのキャンディや化粧品を入れて使えば、現代でも十分にオシャレなインテリアグッズになりそうですよね。
19世紀後半に作られた、鳳凰と牡丹柄のカムチェン

19世紀後半に作られた、鳳凰と牡丹柄のカムチェン

結婚式に使われたペアのティーポット

結婚式に使われたペアのティーポット


シンガポールの街を歩いていると、パステルカラーの服を着ている人がとても多いことに気がつきます。赤道直下の強い日差しに映える色は、プラナカンたちの魂を今も受け継いだものなのかも知れません。ナビをご覧の皆様も、シンガポールではぜひプラナカンの文化に触れてみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-07-12

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