お皿に載った芸術、プラナカン料理を食べてみよう!

マレー半島に伝わるプラナカン伝統の食文化。手間をかけて作られた、芸術的な料理を味わってみませんか?

こんにちは、シンガポールナビです。今日はマレー半島に住むプラナカンたちが代々受け継いできた、プラナカン料理についてご紹介します。各国の様々な食材と調理法を巧みに融合させて生み出された料理は、まさに食の芸術。複雑で絶妙な味わいをお楽しみください。

そもそもプラナカン料理ってどんなもの?

プラナカンが食事に用いたニョニャ・ウェア

プラナカンが食事に用いたニョニャ・ウェア

「プラナカン」とは15世紀後半からマレーシアやシンガポールにやってきた、中国系移民の子孫のこと。彼らは現地の女性と結婚し、中国やマレーの文化に西洋の文化もミックスさせた、絢爛豪華な生活スタイルを生み出しました。その食文化も、他では見られないほど複雑で手の込んだもの。中国の料理法に、スパイスや木の実やココナッツミルクを多用するマレー料理をミックスさせ、さらにタイやインドのハーブからヨーロッパの調味料まで巧みに使いこなし、味わい深い料理を作り出してきたのです。プラナカンの男性は「ババ」、女性は「ニョニャ」と呼ばれたため、プラナカン料理は「ニョニャ料理」とも称されます。華やかな文化を持ったプラナカンは、パステルカラーの美しい陶器「ニョニャ・ウェア」で、芸術的な料理を代々伝えてきたのでした。

クエ・パイティー(Kueh Pie Tee) ~帽子に入った可愛い前菜

クエ・パイティー、またの名をトップ・ハット(シルクハットの意)という、プラナカンの料理の前菜。その名のとおり、帽子をひっくり返したようなタルト風の小さなカップの中に、大根の甘煮や錦糸卵、小エビなどが入っています。サクサクしたタルトの器と中身の相性が良いうえに、見た目も愛らしくてオシャレ。華やかな装飾を好んだ、プラナカンの感覚が活かされた料理です。エビの上にかけられたサンバル(チリ)が、味をひきしめています。
食感が良く、見た目も愛らしいクエ・パイティー

食感が良く、見た目も愛らしいクエ・パイティー

フードコートでも食べられるお店があります。

フードコートでも食べられるお店があります。

アヤム・ブアクルア(Ayam Buah Kelua) ~チキンのブラック・ナッツ煮込み

プラナカン料理を代表するのが、鶏をブラック・ナッツで煮込んだアヤム・ブアクルア。ブアクルアはブラック・ナッツのことです。二晩水に浸したナッツを二つに割り、取り出した中身を砕いてスパイスやエビを混ぜ込み、また殻に戻したものを、ソースと一緒に煮込みます。手間をかけて用意されたブラック・ナッツが醸し出す味わいは奥深く、酸味と辛さのバランスも絶妙。骨付きの鶏は口の中でホロホロ崩れ、やわらかい食感がソースと見事に調和します。カレーライスのようにごはんと一緒に食べると、たまらないおいしさ。ナッツの中身のペーストも食べられますので、ぜひスプーンでほじくってみてください。複雑で繊細な味が病みつきになります。
鶏とブラック・ナッツの煮込み料理、アヤム・ブアクルア

鶏とブラック・ナッツの煮込み料理、アヤム・ブアクルア

料理の要のブラック・ナッツ。中身も食べられます。

料理の要のブラック・ナッツ。中身も食べられます。

カリー・カピタン(Curry Kapitan) ~ペナン風チキン・カレー

骨付き鶏がやわらかく煮込まれたカリー・カピタン

骨付き鶏がやわらかく煮込まれたカリー・カピタン

マレーシアのペナンに伝わってきたプラナカン料理。ココナッツミルクで煮込まれたチキンカレーです。タマネギの甘みが全体に広がり、ココナッツ・ミルクとともにまろやかな味わいを醸し出しています。レモングラスなどのハーブが効いたこのカレーは、あまり辛くないため、日本人の味覚にもピッタリ。ごはんとの相性も最高で、ついおかわりが欲しくなってしまいます。やわらかく煮込まれたチキンと、マイルドなカレーは絶妙なコンビネーション。ターメリックやシナモンなどのスパイスが放つ香りも、華やかで魅惑的です。味覚、嗅覚ともにじっくりお楽しみください。

サンバル・ウダン (Sambal Udang) ~エビのサンバル炒め

ピリ辛味がたまらないサンバル・ウダン

ピリ辛味がたまらないサンバル・ウダン

プラナカン風エビチリ炒め。すりつぶした乾燥エビをチリソースに練り込んだ「サンバル・ブラチャン」で、新鮮なエビを炒めた物です。「ウダン」とはマレー語でエビのこと。ライムリーフやエシャロット(タマネギの一種)とともに炒められたエビは香り高く、プリプリした食感がたまりません。サンバル・ブラチャンのピリッとした刺激に、ほど良いバランスの酸味、塩気、少しの甘みが加わったソースは、エビの新鮮さを見事に引き立てます。この料理も白いごはんとの相性が最高で、一緒に食べるとどんどんお箸が進みますよ。スパイシーな味を堪能しながら、南国の暑さを吹き飛ばしてください。

サンバル・カンコン (Sambal Kang Kong) ~空心菜のサンバル炒め

激辛の青菜炒め、サンバル・カンコン

激辛の青菜炒め、サンバル・カンコン

中国や東南アジアでよく使われる野菜、空心菜のサンバル炒め。カンコンとは空心菜のことで、その名のとおり茎の部分が空洞の青菜です。これを乾燥エビ、ニンニク、サンバル・ブラチャン、調味油、砂糖、塩などとともに炒めた料理で、シンガポールではプラナカン料理以外のお店でも出てくる、おなじみの一品。空心菜を鍋に入れてからは一気に強火で炒めるため、青菜のシャキシャキ感は失われず、歯ごたえのある風味を楽しめます。サンバル・ブラチャンが使われているためかなり刺激のある辛さですが、ハマるとクセになる味です。これまた白いごはんとの相性がよく、アツアツごはんの上に載せて食べると、もう止まりません。激辛料理が大丈夫な人にはオススメ。

バクワン・ケピティン(Bakwan Kepiting) ~カニ入り肉団子のスープ

右側のスープがバクワン・ケペティン

右側のスープがバクワン・ケペティン

豚挽肉にカニの肉を加えた、肉団子のスープ。バクワンは福建語で肉団子、ケピティンはマレー語でカニを意味します。カニやエビで出汁をとった透明感のあるスープは、かすかにニンニクの香りが漂うさっぱりした味。スープの中にはタケノコも入っていて、中華正月やお祝い事のときによく食べられる料理です。こってりした味やピリ辛風味が多いプラナカン料理の中にあって、優しい味のこのスープは、控えめながら貴重な存在。激辛料理が苦手な人は、刺激のある料理の間にこのスープを飲んで、舌を休めましょう。

ポピア(Popiah) ~卵入りの薄皮で巻かれた生春巻き

ふんわりした外観がキュートなポピア

ふんわりした外観がキュートなポピア

卵と小麦粉で作られたパンケーキ風の薄皮で、野菜やエビを巻いた生春巻き。淡い色合いの外観も愛らしく、前菜あるいはスナックとして親しまれています。薄皮の中身は大根やニンジン、キュウリ、レタス、もやし、エビやピーナツなど。ふんわりした薄皮と、中身のシャキシャキした食べ応えの差がたまりません。小腹が空いたときのおやつがわりにも最適です。ただし薄皮の内側には、ニンニクや唐辛子の効いた甘い味噌や、チリソースが塗られています。ピリ辛味の苦手な人が、おやつがわりと思って食べると、ビックリしてしまうことがあるので要注意!

ラクサ(laksa) ~ホーカーズで食べられる、国民食の麺料理

どのホーカーズやフードコートでも食べられる、一般的な麺料理。ラクサも元来はプラナカン料理です。シンガポールのラクサのスープは、ココナッツミルクをベースにしたものが中心。太めのビーフンやエビ、貝類、揚げ豆腐などの具がたっぷり入っています。チリが効いているためややスパイシーですが、ココナッツミルクが使われているので、全体的にはマイルドな味わいです。一方、ペナン発祥の「ペナン・ラクサ」も、あちこちのホーカーズで味わえます。こちらは魚のダシにトウガラシやタマリンドの入った、ピリ辛かつ酸味が効いたスープが特徴です。どちらのスープにも、もっちりした食感のビーフンが良く合います。
ココナッツミルクがべースのシンガポールのラクサ

ココナッツミルクがべースのシンガポールのラクサ

酸味が効いてさっぱりしているペナン・ラクサ

酸味が効いてさっぱりしているペナン・ラクサ

サゴ・プディング(Sago Pudding) ~タピオカとパームシュガーのデザート

サゴ・グラメラカとも呼ばれるプラナカン料理の代表的なデザート。サゴはタピオカ、グラメラカはパームシュガーの意味です。プディング型でこんもりとかたどられたタピオカに、キャラメル色のパームシュガーのシロップと、ココナッツ・ミルクをかけたもの。タピオカのつぶつぶに、ちょっとみたらし団子のタレを思い出させるような、パームシュガーの濃厚な甘さが良く合っています。ねっとりしたタレと、プニプニしたタピオカの食感が、独特のハーモニーです。
つぶつぶした食感にハマるサゴ・プディング

つぶつぶした食感にハマるサゴ・プディング

パームシュガーの甘さがサゴに良く合います。

パームシュガーの甘さがサゴに良く合います。

チェンドル(Chendol) ~ホーカーズで食べられる三段かき氷

ホーカーズやフードコートで食べられる、シンガポールの冷たいデザートの代表。これも元々はプラナカン料理なのです。ブラウンシュガーのかかったかき氷、緑色のゼリーが入ったココナッツミルク、そして茹でたあずきが三段の層になっています。ブラウンシュガーとあずきの異なる甘さが、シャリシャリした氷にほど良くマッチ。緑のゼリーはパンダンリーフで色が付けられており、かき氷に鮮やかな印象を与えています。日差しが最も強くなる正午過ぎに味わいたいデザートです。
シンガポールのデザートといえばコレ! チェンドル

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パンダンリーフで色づけされた、二層目のゼリー

パンダンリーフで色づけされた、二層目のゼリー


プラナカン料理のレストランは、主にカトン地区に集中しています。中心部からは少し離れますが、訪れる価値は十分にあり! また中心部のフードコートなどにも、プラナカン料理の単品が手軽に味わえる店もあります。大事に受け継がれてきた伝統の味を、ぜひ味わってみてくださいね。以上、シンガポールナビでした。

プラナカン料理が食べられる店

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-03-11

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