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幸せを呼ぶ!シンガポール流旧正月の「食」文化

中華系の住民が多いシンガポールでは、旧暦のお正月を盛大にお祝いします。 開運アイテムや縁起かつぎが大好きなお国柄。お正月には「幸運を呼ぶ」ラッキーフードがいろいろと登場します。ひとつひとつの食べものには、どんな意味が込められているのでしょう?旧正月の食文化にスポットを当ててみました。


こんにちは!シンガポールナビです。2014年の旧正月は1月31日。中華系住民が人口の7割以上を占めるシンガポールでは、旧暦のお正月(中国正月/春節)を盛大に祝います。チャイナタウンでは元旦の20日前くらいからお正月食材や飾りを売る露店が並び始め、ショッピングモールやローカルマーケットでも、赤や金色が目を引く特設コーナーが大にぎわい。旧正月に縁起のよいものを食べて一年の幸せを願うチャイニーズの風習はシンガポールにも定着しています。そんな幸運を呼び寄せる開運フードに注目してみました。

かまどの神様の口を封じる甘いオモチ


旧正月前になると、いたるところで目にするのが丸い形の「年糕(ニェンガオ)」。英語では「New Year Cake」「Sticky Rice Cake」などと呼ばれています。もち米粉に砂糖を加え、蒸して作る弾力性のあるお餅。発音が「年高」に通じることから、年始に食べれば「年々、高いところへ」行けるという縁起かつぎになります。丸い形は「調和」、モチモチした食感は「結束」、甘味は「幸福な人生」を象徴しています。中華系の定番アイテムですが、国や地域によって作り方や食べ方にバリエーションがあるようです。シンガポールでは薄くスライスして油で炒めるか、蒸してココナッツを削ったものをのせて食べることが多いそう。

この年糕にちなんで、おもしろい風習があります。中華系の家庭の台所には伝統的に「Kitchen God(かまど神)」が祀られていて、家族の行動を常に見ていると信じられています。旧暦の12月24日頃になると、古くなった神様のポスターを取り外して燃やします。すると、かまど神は天地を司る「Jade Emperor(天帝)」のもとへ行き、1年間の家族の行いを報告するそうです。その内容によって新年の運勢が決まるため、かまど神が良いことだけを報告するよう、甘くてモチモチとした年糕をお供えして口封じをするのだとか。

シンガポール発祥!幸せを呼ぶ海鮮サラダ「魚生」


シンガポールならではの旧正月の定番料理といえば「魚生(ユーシェン)」。新鮮なお刺身と千切りにした野菜を大皿に盛り付け、ナッツやクラッカーを散らし、醤油ベースの甘酸っぱいソースをかけて、豪快に混ぜ合わせてからいただく開運料理です。1963年に人気レストランのシェフ4人が集まり、シンガポールの旧正月料理として開発したそうです。現在では東南アジア各国にも広まっています。

レストランで注文すると、スタッフが具材を一種類ずつテーブルに持ってきて、縁起のよい言葉をつぶやきながら置いていきます。すべてが盛りつけられると、テーブルを囲む全員が立ち上がり、「ローヘイ(撈起)!」と唱えながら長い箸で具材をすくい上げます。「ローヘイ」とは広東語で漁師が網を引き揚げる動作を表していて、高く上げれば上げるほどよいそうです。この時、テーブルにこぼれて散らかるのもまたよし。この料理を「ローヘイ」と呼ぶ場合もあります。
スーパーやレストランでは自宅で楽しめる「魚生セット」も売っています。 スーパーやレストランでは自宅で楽しめる「魚生セット」も売っています。

スーパーやレストランでは自宅で楽しめる「魚生セット」も売っています。


それぞれの具材には意味が込められています。たとえば、魚は発音が「余」に通じることから、「年年有余(一年中ずっと何不自由なく裕福に暮らせますように)」というおめでたいフレーズにつながり「富」や「豊かさ」を象徴します。幸運を呼ぶオレンジ色のニンジンをはじめ、色とりどりの野菜を混ぜ合わせることで「家族の調和」を意味し、ピーナッツやゴマは「長寿」や「健康」を、小さな平たいクラッカーは、お金に似ていることから「金運」を呼び寄せます。

年始回りの必需品は2個のオレンジ

箱単位で購入する人も多い

箱単位で購入する人も多い

2個ずつ持ち歩ける専用バッグ

2個ずつ持ち歩ける専用バッグ


旧正月の期間には、2個または偶数個のマンダリンオレンジ(桔子)を贈り合う習慣があります。中国語の「桔」の発音が「吉」に似ていることから「幸運」を運ぶものとして好まれ、蜜柑(みかん)の「柑」の発音やオレンジ色が「金」に通じることから「金運」をもたらすとされています。親戚や友人を訪問する時にはオレンジを持参し、帰るときには別のオレンジが手渡されます。その数は必ず偶数個でなくてはいけません。こうして交換し合うことによって、運気を回すことになるそうです。葉っぱが付いていると「長寿」のシンボルが追加されて、さらにおめでたいのだとか!

バーベキューポーク店に大行列


縁起かつぎではありませんが、旧正月に欠かせないのが「肉干(バクワ)」というポークジャーキー。英語では「barbecued pork」「dried pork」「pork jerky」などと呼ばれています。干し肉を甘辛い味付けにして炭火で焼いたもので、薄い長方形のポークが主流ですが、チキンやビーフもあります。
中国の福建省に由来し、今ではすっかりシンガポールの定番スナックになりました。一年中人気がありますが、特に旧正月には訪問客にふるまったり、贈り物として購入する人が多く、有名店には長い行列ができます。
サラミタイプも旧正月によく出回ります

サラミタイプも旧正月によく出回ります


その昔、福建省の貧しい人々にとって、肉は貴重な栄養源で、めったに食べられないごちそうでした。肉が手に入ると薄くスライスして砂糖やスパイスに漬け込み、天日干ししておいて、お正月のために取っておいたといいます。福建省の人々が移民として南に渡ったとき、この肉干もシンガポールやマレーシアに持ち込まれました。

チャイナタウンの特設テントをのぞいてみよう!

お正月に皆でつまむのにぴったりな焼き菓子は種類豊富

お正月に皆でつまむのにぴったりな焼き菓子は種類豊富


2014年は1月10日~30日の間、チャイナタウンに旧正月用の特設テントが並びました。
甘いお菓子は万国共通の「幸せ」のシンボル。ずらりと並んだ赤い蓋のプラスチック容器に入っているのは、さまざまな種類の焼き菓子です。クッキー生地とパイナップルジャムを組み合わせた「パイナップルタルト」や、くるくると細長い筒状に巻かれたココナッツ風味の「エッグロール(別名ラブレター)」が特に人気。
人気のパイナップルタルト

人気のパイナップルタルト


黄金色のパイナップルは「富」や「幸運」のシンボル。南国らしいお正月飾りのモチーフとしてよく登場します。エッグロールは、卵が「生命」や「多産」の象徴であり、金ののべ棒に似ているため「金運」効果にも期待。
中秋節にも人気のポメロ

中秋節にも人気のポメロ

おめでたい色のカボチャ

おめでたい色のカボチャ

日本人にも懐かしい干し柿

日本人にも懐かしい干し柿


かんきつ類の中で最も大きく、日本ではザボンと呼ばれるポメロは、「富」「繁栄」「多産」「家族の絆」などのシンボル。丸くて大きな形がいかにも福を呼びそうですね。オレンジ色のカボチャは「繁栄」「子孫の代まで続く幸運」「才能に恵まれた子供」などを意味するご縁起食材だそうです。柿もみかんと同様に、色と形が縁起のよい果物。「心願成就」の意味を込めて、旧正月に干し柿を食べる習慣があります。

このように、挙げればキリがない旧正月のラッキーフード。「長い麺を食べると長生きできる」など日本人におなじみの習慣もあります。

年に一度のお祝いだから…!

華やかなパッケージのタイガ―ビール

華やかなパッケージのタイガ―ビール


そういえば、シンガポールでは日本のように季節に応じてビールのラベルや商品名が変わるということはありません。でもこの時期だけは、タイガ―ビールも「お祝いパッケージ」で売られています。ここにもやっぱり縁起のよい魚のデザインが描かれていました。

おめでたい旧正月の食べもの、一年の健康と幸運を願って、ぜひ楽しく味わってみたいですね!
以上、シンガポールナビでした。 
関連タグ:旧正月中国正月

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-02-05

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